古き良き時代のアメリカの田舎の生活を描いた絵本だ。

文章の作者の、ナタリー ・ キンジー ‐ ワーノック (Natalie Kinsey-Warnock) は、
祖先が移住してきたバーモンド州の NorthEast・Kngdom で生まれ育ち、
その地で、この絵本にある昔ながらのリンゴ栽培やメープルシロップ作りを
しながら、夫と手作りの家を建てて住んでいる。
今でも、同じ様にクロスカントリースキーをしたり、絵本の中にあるような
彼女の子どもの頃と変わらない生活をしている。
絵は、メアリー ・ アゼアリアン (Mary Azarian) による、版画 + 水彩 だ。
子ども時代を、バージニア州の祖父の農場で過ごし、
現在は、19世紀に建てられた農家に住んで、田舎暮らしをしている。
子どもから大人まで、総出で様々なことをやらなければならない暮らし。
リンゴ収穫。

畑や牧草地の手入れ。

牛の世話。

私の “主夫生活” に横槍を入れてくる人たちが、
口裏を合わせたかのように言う、
『もっと沢山、いろんなものが欲しいだろ!。』
『世の中みんな、1円でも多く稼ぐために生きているんだ。』
『いいか、オマエ以外の人はみんな、できるだけ楽をして稼ぐために、
頭を使って、知恵を絞ってるんだ。オマエも見習ったらどうだ!。』
『イイ車に乗って、イイ暮らしがしたいだろ。だから、働け!。』
・・・ってなゴタクが、バカらしいモノに聞こえる私にとって、
このような大変だけど、毎日充実した地に足のついた生活は、
憧れるし、素晴らしいものに見える。
・・・かと言って、
『何も充実してない、ハラハラドキドキもない、くだらない生活はもうやめろ。』
・・・と、彼らは私に言うが、
今の私の生活が、彼らの言うような、
「くだらない」 「充実してない」 生活だとは、
私は思っていない。
生活って、そもそも、地道な作業の積み重ねなんだよね。
春先のぬかるみ。

コンビニで手軽にジャンクフードを買って、容器はゴミに出す・・・とか、
毎食 外食したり、他の誰かやロボットに洗濯や掃除をさせる様な、
手軽で楽な生活って、確かに時間を有効に使えるかもしれないけど、
生活における地道な作業の積み重ねを、
「面倒だな・・。」・・と、思いながらも、気持ちを切り替えたり、
心を落ち着けたり、作業そのものを楽しんだりしながら、
1つづつ着実にこなしていくのが、人生のあるべき姿なんだ・・と、私は考えてる。
そういう日々の積み重ねの中にこそ、
安らぎや幸せを感じる瞬間が訪れるのであって、
私の主夫生活を目の敵にして、私を炊きつけようとする人たちの言う、
「ドキドキハラハラこそが、人生」、「男の一か八かの勝負」、
「人生は、勝つか負けるかのゲーム」 ・・・
・・・なんて言うのは、大間違いであって、
そういうのは、偶々 現在成功している人の、無責任な、他人への
【拝金主義】 【お金至上主義】 価値観の
押しつけだと思ってる
(勿論、そこには、【ブランド崇拝】とか、【メディアの作った価値観崇拝】
の価値観が含まれている。) 。
冬の生活。

金の亡者には、わからないんだろうなぁ・・・。
巻末には、作者たちの子どもの頃の古い写真も載ってる。

おじいさんは、太いパンツにサスペンダー、ハンチングキャップ。
アメリカでは、もっと古い時代の労働者も、こういうスタイルをしている。
こういうのは、私好みだ。
絵も、ワークパンツにワークブーツ、ワークシャツ、マッキノウ・・、
どれも私好みの、ワークスタイルのアメリカンカジュアル。
アメカジ好きにも、オススメです。
但し、絶版です。




