カミサンに子どもを任せて、眼科の定期検診および点眼薬処方に行く。
面倒なのであるが、緑内障の進行を監視し、抑えるため、月に1回は行かなければならない。この耳に加えて、視力まで失ったら大変だからね。
眼科を出て、眼科の駐車場に停めてある車に乗り込んで、エンジンをかけた。
とりあえず、終わったことをカミサンに連絡しようと携帯電話を取り出した時、歩道を歩いていたおばあさんが立ち止まって、何やら私に話しかけていることに気が付いた。
すぐにエンジンを切って、車から降りると、こう言われた (正確には、聞き取りが悪いので聞き返して、おばあさんに顔を思いっきり近づけた後の、2度目のおばあさんの言葉で話を理解したのであるが・・) 。
『ごらんなさいよ。見事な山茶花ですよ』
見ると、眼科の駐車場の隣の敷地との境目に沿って続いている生垣に、真っ赤な花が咲き乱れている (花の名前などには、全く縁のない人生を送ってきたので、恥ずかしながら名前も知らなかった。椿の一種だろうとは、思っていたが・・。) 。
仕事もしていない私なので、あくせくと生きているつもりはないのだが、おばあさんに言われるまで、花が咲いていることに気が付きもしなかった。
自分ではそんなつもりはなかったのであるが、いつの間にか身の回りにある小さな自然や様々な出来事に風流を感じることもなかったのだと、改めて思い知らされた。
おばあさんと一緒に花を眺め、おばあさんの話に聞き入る。
何でも、高等学校を卒業後に美術学校に進みたくて親とけんかをしたことや、その後は洋裁も和裁もできるようになったことなど、たくさん話してくれる。
お話しから察するに、 “いいトコのお嬢様” であったのだろう。あの時代に女性で美術を志して、親とけんかをしたというくだりや、女性の権利がほとんど認められなかった頃の話も説明が知的であった。
しかし、その語りは悲観的ではなく、 “楽しい思い出” を語るような口調だ。ご自分の人生を誇り高く、前向きに生きてきたことがよくわかる。
聞くと、今日着ている服もご自分で仕立てたものだそうだ。
私も、今日着ていたアメリカ古着のワークジャケットを見せ、自分でリサイズしたことを話す。
たった30分弱の時間であったが、なんだかとてもいい時間を過ごすことができた。
せっかくいい時間を過ごせたのだから、記念に写真を撮った (携帯電話のカメラで撮ったのであるが、すごいね。すごいスペックのカメラが付いているんだね。デジカメいらないんじゃないだろうか・・・・。マイクロSDも入れられるし・・。 電話なのに、オマケの機能が付き過ぎだ・・・。 昨今、こんな話を友人としていたのであるが、いずれこのことについても書きたいと思います・・) 。

最期に、おばあさんが言う。
『足をお停めしてしまって、すみませんね』
私は、話しかけてくれたことと、気づかせてくれたことにお礼を言い、その後 『次に、お見かけした際には、私の方からお声をかけさせていただきます』 と言って別れた。
また、お話ししたいなぁー。

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面倒なのであるが、緑内障の進行を監視し、抑えるため、月に1回は行かなければならない。この耳に加えて、視力まで失ったら大変だからね。
眼科を出て、眼科の駐車場に停めてある車に乗り込んで、エンジンをかけた。
とりあえず、終わったことをカミサンに連絡しようと携帯電話を取り出した時、歩道を歩いていたおばあさんが立ち止まって、何やら私に話しかけていることに気が付いた。
すぐにエンジンを切って、車から降りると、こう言われた (正確には、聞き取りが悪いので聞き返して、おばあさんに顔を思いっきり近づけた後の、2度目のおばあさんの言葉で話を理解したのであるが・・) 。
『ごらんなさいよ。見事な山茶花ですよ』
見ると、眼科の駐車場の隣の敷地との境目に沿って続いている生垣に、真っ赤な花が咲き乱れている (花の名前などには、全く縁のない人生を送ってきたので、恥ずかしながら名前も知らなかった。椿の一種だろうとは、思っていたが・・。) 。
仕事もしていない私なので、あくせくと生きているつもりはないのだが、おばあさんに言われるまで、花が咲いていることに気が付きもしなかった。
自分ではそんなつもりはなかったのであるが、いつの間にか身の回りにある小さな自然や様々な出来事に風流を感じることもなかったのだと、改めて思い知らされた。
おばあさんと一緒に花を眺め、おばあさんの話に聞き入る。
何でも、高等学校を卒業後に美術学校に進みたくて親とけんかをしたことや、その後は洋裁も和裁もできるようになったことなど、たくさん話してくれる。
お話しから察するに、 “いいトコのお嬢様” であったのだろう。あの時代に女性で美術を志して、親とけんかをしたというくだりや、女性の権利がほとんど認められなかった頃の話も説明が知的であった。
しかし、その語りは悲観的ではなく、 “楽しい思い出” を語るような口調だ。ご自分の人生を誇り高く、前向きに生きてきたことがよくわかる。
聞くと、今日着ている服もご自分で仕立てたものだそうだ。
私も、今日着ていたアメリカ古着のワークジャケットを見せ、自分でリサイズしたことを話す。
たった30分弱の時間であったが、なんだかとてもいい時間を過ごすことができた。
せっかくいい時間を過ごせたのだから、記念に写真を撮った (携帯電話のカメラで撮ったのであるが、すごいね。すごいスペックのカメラが付いているんだね。デジカメいらないんじゃないだろうか・・・・。マイクロSDも入れられるし・・。 電話なのに、オマケの機能が付き過ぎだ・・・。 昨今、こんな話を友人としていたのであるが、いずれこのことについても書きたいと思います・・) 。

最期に、おばあさんが言う。
『足をお停めしてしまって、すみませんね』
私は、話しかけてくれたことと、気づかせてくれたことにお礼を言い、その後 『次に、お見かけした際には、私の方からお声をかけさせていただきます』 と言って別れた。
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2013.03/06 Wed 00:00|未分類 (あれこれ)||TOP↑