去年の8月のこと。
クビになったガッコに在学中に、他科の学生だった 若い友人 H から、
電話があった。
(学生時代は、現役生より歳もとってたし、「学内で知らない人はいない。」
・・って、言われていたり、他科の学生に相談を受けていたりしたので、
はみ出し者の私でも、少しは他科にも友人ができた。
学生相手に、ジーパンの修理屋もしてたし・・・。)
電話での会話。
【以下:オ=私、H=H氏】
H : 『ソルティドッグって知ってる?。』
オ : 『飲んだこと無いけど、グラスに塩ついてるヤツだろ?。』
H : 『酒じゃなくて、ジーパン、ジーパン。』
オ : 『えっ?、知らんなぁ。』
H : 『大石貿易、ビッグストーンって、・・・』
オ : 『大石貿易は知ってる。レプリカ全盛の時に、復刻 出してたわ。』
H : 『もらってよ。尾錠付きのモデル。丈も足りると思うけど・・・。』
・・・と、いう訳で、もらうことになった。
数日後、近隣の ◇□市 の H の勤め先の近くのコンビニの駐車場で落ち合った。
ちょうど、子どもが夏休みの宿題をやらないことを、私のせいにした為、
数日間家を空けることにしたのだが、その1日目のことだ。
なんでも、数年前に、インターネット上で、
格安の値段で投げ売りされていたのを買ったのだそうだが、気に入らないらしい。
何回か洗濯はしたようで、少しだけ色が落ちているが、履き込んだアタリは皆無。

私は、ボンネットの上にジーパンを広げて、Hと話す。
オ : 『いいじゃん、コレ。どこが気に入らネーの?。』
H : 『自分でもわかんないけど、例えば、リベットが打ち抜きじゃないし・・。』
オ : 『えっ、コレ、打ち抜きリヴェットだと思うけど・・。』
私は、鞄からルーペを出してリヴェットを見る。
オ : 『やっぱ、打ち抜きだよ。コレ。』
H : 『でも、デニムがはみ出してないじゃん。』
オ : 『丁寧にやれば、はみ出さネーよ。それに、でっぱりの根元が、
ちゃんとカドが出てたり、スジ入ってたりするだろ。』
H : 『そういうスジの入った かぶせリベット じゃないの?。』
オ : 『そんなデティールをカネかけて追加するより、打ち抜きにした方が
早ぇーよ。それに、そんなスジ入れたら、厚くなっちゃうし。』
H : 『うーん・・・。』
オ : 『ホレ、ここにデニム、はみ出してんぞ。』

H : 『ホントだ。でもな~、なんとなくな~、気に入らないんだよね。』
オ : 『生地もそんなに悪くないと思うけど。今のに比べたら劣るけどね。』
オ : 『たぶん、オマエが気に入らネーのは、糸じゃネーか?。』
オ : 『このオレンジ系の茶色の糸は、ポリエステル糸だし。』
ちょうど、バックストラップの裏に糸のはみ出しがあったので、
私はHからライターを借りて炙ってみる。
オ : 『うん、やっぱり、この糸はポリエステルスパン。』
H : 『そうか~、それが気になってたのかな~?。』
オ : 『イエロー系の細い糸は、たぶん、コアヤーン糸じゃないかな?。』
H : 『そんなん、わかるの?。』
オ : 『うん。見た感じでわかるよ。それより、バックポケットの当て布の糸、
コレ、たぶん綿糸じゃないよね。これだけは、オレも気になるね・・・。』
H : 『コアヤーンとかじゃない?。』
オ : 『コアヤーン糸ならわかる。特に濃い色のはね。』
・・・そんなこんなで、ちょっと話をして、『本当に貰ってもいいのか?。』 と、
何度も念を押したが、くれると言うので貰ってきた。
ナカナカのデティールだ。

2本針シンチバック、本革レザーパッチ、コンシールリヴェット・・・。
ただひとつ、私が気になっていたのは、
バックポケットの下部の当て布を縫い付けてある糸だった。
ジーンズ好きの人には説明不要だが、興味のない人にもわかるように説明すると・・・
ポケットの下部の補強布は、
アメリカの一部のワークウェアに残っているデティールだが、
これがあった頃のジーンズは、綿糸で縫われている。
紺や黒は、特に定着が悪いので、洗いと共に色落ちするのが普通だ。
↓ 姉が子どもに履かせるために買った
ビンテージレプリカジーンズ (現:ウチの子 使用中) を例に挙げる ↓ 。

だが、ポリエステル糸だと、色落ちしない。
使い込んだ時に不自然になるのだ。
今回のジーパンのこの部分のステッチは、
明らかにポリエステル糸だ!。綿糸に変えなきゃ!。
色落ちした時に不自然になるから、
この部分の糸を綿糸にしなければ、このジーパンは履けない!。
ジーンズ好きな方なら、わかっていただけると思いますが、
興味のない方にとっては、どうでもいいことですね (笑) 。
暇を見つけて、作業しようと思ってきたのだが、
実際にミシン作業ができたのは、1月の中旬過ぎであった。
ミシン作業の前に、眺めていて気が付いた。
あれっ?、よく見たら、
アーキュエイトステッチもどきも入ってる!!。

この黒い (濃紺か?。) 糸も、ポリエステル糸だ。
まずは、この糸を取ろう。

あて布の縫製糸を、綿糸に変えるためには、まず ポケットを外す。


同じ色のコアヤーン糸があってよかった。

できあがり。・・って、見た目はほとんど変わらないけど・・・ (笑) 。

何回かしっかりとロールアップして履きたかったのだが、そこまでの長さはなく、
わずかに 20mm ほど曲げるくらいの長さだったので、
同じ色のコアヤーン糸を使って、ジャストの丈に裾上げした
(綿糸にしようかと思ったのだが、あえて他の部分に合わせた。) 。

そろそろ、ダメージを気にせずに、メインで履く 次のジーパンを
調達しようと思っていたのだが、
毎度のことながらお金に余裕がなく、困っていたのだ。
H のおかげで、1本増えてよかった!。


クビになったガッコに在学中に、他科の学生だった 若い友人 H から、
電話があった。
(学生時代は、現役生より歳もとってたし、「学内で知らない人はいない。」
・・って、言われていたり、他科の学生に相談を受けていたりしたので、
はみ出し者の私でも、少しは他科にも友人ができた。
学生相手に、ジーパンの修理屋もしてたし・・・。)
電話での会話。
【以下:オ=私、H=H氏】
H : 『ソルティドッグって知ってる?。』
オ : 『飲んだこと無いけど、グラスに塩ついてるヤツだろ?。』
H : 『酒じゃなくて、ジーパン、ジーパン。』
オ : 『えっ?、知らんなぁ。』
H : 『大石貿易、ビッグストーンって、・・・』
オ : 『大石貿易は知ってる。レプリカ全盛の時に、復刻 出してたわ。』
H : 『もらってよ。尾錠付きのモデル。丈も足りると思うけど・・・。』
・・・と、いう訳で、もらうことになった。
数日後、近隣の ◇□市 の H の勤め先の近くのコンビニの駐車場で落ち合った。
ちょうど、子どもが夏休みの宿題をやらないことを、私のせいにした為、
数日間家を空けることにしたのだが、その1日目のことだ。
なんでも、数年前に、インターネット上で、
格安の値段で投げ売りされていたのを買ったのだそうだが、気に入らないらしい。
何回か洗濯はしたようで、少しだけ色が落ちているが、履き込んだアタリは皆無。

私は、ボンネットの上にジーパンを広げて、Hと話す。
オ : 『いいじゃん、コレ。どこが気に入らネーの?。』
H : 『自分でもわかんないけど、例えば、リベットが打ち抜きじゃないし・・。』
オ : 『えっ、コレ、打ち抜きリヴェットだと思うけど・・。』
私は、鞄からルーペを出してリヴェットを見る。
オ : 『やっぱ、打ち抜きだよ。コレ。』
H : 『でも、デニムがはみ出してないじゃん。』
オ : 『丁寧にやれば、はみ出さネーよ。それに、でっぱりの根元が、
ちゃんとカドが出てたり、スジ入ってたりするだろ。』
H : 『そういうスジの入った かぶせリベット じゃないの?。』
オ : 『そんなデティールをカネかけて追加するより、打ち抜きにした方が
早ぇーよ。それに、そんなスジ入れたら、厚くなっちゃうし。』
H : 『うーん・・・。』
オ : 『ホレ、ここにデニム、はみ出してんぞ。』

H : 『ホントだ。でもな~、なんとなくな~、気に入らないんだよね。』
オ : 『生地もそんなに悪くないと思うけど。今のに比べたら劣るけどね。』
オ : 『たぶん、オマエが気に入らネーのは、糸じゃネーか?。』
オ : 『このオレンジ系の茶色の糸は、ポリエステル糸だし。』
ちょうど、バックストラップの裏に糸のはみ出しがあったので、
私はHからライターを借りて炙ってみる。
オ : 『うん、やっぱり、この糸はポリエステルスパン。』
H : 『そうか~、それが気になってたのかな~?。』
オ : 『イエロー系の細い糸は、たぶん、コアヤーン糸じゃないかな?。』
H : 『そんなん、わかるの?。』
オ : 『うん。見た感じでわかるよ。それより、バックポケットの当て布の糸、
コレ、たぶん綿糸じゃないよね。これだけは、オレも気になるね・・・。』
H : 『コアヤーンとかじゃない?。』
オ : 『コアヤーン糸ならわかる。特に濃い色のはね。』
・・・そんなこんなで、ちょっと話をして、『本当に貰ってもいいのか?。』 と、
何度も念を押したが、くれると言うので貰ってきた。
ナカナカのデティールだ。

2本針シンチバック、本革レザーパッチ、コンシールリヴェット・・・。
ただひとつ、私が気になっていたのは、
バックポケットの下部の当て布を縫い付けてある糸だった。
ジーンズ好きの人には説明不要だが、興味のない人にもわかるように説明すると・・・
ポケットの下部の補強布は、
アメリカの一部のワークウェアに残っているデティールだが、
これがあった頃のジーンズは、綿糸で縫われている。
紺や黒は、特に定着が悪いので、洗いと共に色落ちするのが普通だ。
↓ 姉が子どもに履かせるために買った
ビンテージレプリカジーンズ (現:ウチの子 使用中) を例に挙げる ↓ 。

だが、ポリエステル糸だと、色落ちしない。
使い込んだ時に不自然になるのだ。
今回のジーパンのこの部分のステッチは、
明らかにポリエステル糸だ!。綿糸に変えなきゃ!。
色落ちした時に不自然になるから、
この部分の糸を綿糸にしなければ、このジーパンは履けない!。
ジーンズ好きな方なら、わかっていただけると思いますが、
興味のない方にとっては、どうでもいいことですね (笑) 。
暇を見つけて、作業しようと思ってきたのだが、
実際にミシン作業ができたのは、1月の中旬過ぎであった。
ミシン作業の前に、眺めていて気が付いた。
あれっ?、よく見たら、
アーキュエイトステッチもどきも入ってる!!。

この黒い (濃紺か?。) 糸も、ポリエステル糸だ。
まずは、この糸を取ろう。

あて布の縫製糸を、綿糸に変えるためには、まず ポケットを外す。


同じ色のコアヤーン糸があってよかった。

できあがり。・・って、見た目はほとんど変わらないけど・・・ (笑) 。

何回かしっかりとロールアップして履きたかったのだが、そこまでの長さはなく、
わずかに 20mm ほど曲げるくらいの長さだったので、
同じ色のコアヤーン糸を使って、ジャストの丈に裾上げした
(綿糸にしようかと思ったのだが、あえて他の部分に合わせた。) 。

そろそろ、ダメージを気にせずに、メインで履く 次のジーパンを
調達しようと思っていたのだが、
毎度のことながらお金に余裕がなく、困っていたのだ。
H のおかげで、1本増えてよかった!。





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